中学生・男子・陸上部・踵(かかと)の痛み~踵骨骨端炎 シーバー病の治療例

中学生・男子・陸上部・踵(かかと)の痛み~踵骨骨端炎 シーバー病の治療例

;主訴: 中学一年生。陸上(長距離) 右の踵(かかと)をつくと痛い。

photo

 大阪から御来院いただきました。
エコーの診察を勧めたが、後程 外科に行ったところ、

「骨端炎でしょう」との診断で、特にエコーの検査は行われなかった。
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

骨端炎でも、骨端症でも、名前はどちらでもいいのだけれど、要するに、病名とは消去法であり、骨に異常があれば骨折系の名称がつくし、レントゲン画像に異常がなければ、症とか、炎・・・そんな呼び方がつく。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 骨の上のアキレス腱の付着部を触った感じは、主観ですが、

同じ年代の子の踵よりも、多めにグラグラする感じ。特に熱感は感じない。

photo

photo

男の子なら小学校高学年から、中学二年生くらいまでの間で、

 マラソン大会の練習時期や、中体連前の走る機会が多くなるころ、同じ症状の来院が 増える。

そんな時、レントゲンを撮ると、踵の骨の後ろに“何か”(骨端核)写る時がある。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

個人差はあるものの、それは、6~7歳で出現し、

16~18歳くらいで踵の骨と癒合し、柔らかい男の子の足から、硬い男の足に変化を遂げる。


特に、後遺症が残るものでもないし、無症状の場合が多い。

原因としては、アキレス腱の牽引とか、衝撃とか、単なる成長過程のモノと言われているが・・・定かではない。

ただ、小さくてもランナーにとっては、

「男が試されてるとき」・・・であることに変わりはない。
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

通常は、痛みどめ(時にはステロイド注射)と安静で自然回復を期待する、

クッション材などで衝撃を緩和するなどの処置が施されるが、

僕は、それとも違うと思っている。


結論から書くと、着底ポイントの変換を試みる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

photo

<関連記事>着底タイミングの変換(疲労骨折の治療)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



素足で歩くと、片足だけの着底が踵の突起部から着いている音がする。
スローなカメラで歩行を撮って動きを確認してみる。

photo

photo

痛みのある右足だけが、踵の突起から落ちている。

photo

通常の着底はここから着くが、この尖ったところから着いている。

簡単に言えば、ミートハンマーで、生きたカルビを叩くような現象が起きている。
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なぜこのような現象が起きるか?

photo

異常な動きの一つ一つで完成される。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


治したい所が多すぎて、どこから治すか?悩むのだけど、
ミートハンマー現象から治すことにした。

これを治さない限り、痛み(炎症)が収まっても、再び痛みを繰り返す。

もしも自分で治す方法を言うならば、選手がやる事は意外と多い。


photo










ドリルをしっかりやること。

photo

   ストレッチはアキレス腱付近だけでなく、全身すべて行うこと。

   フォームの確認、用具の点検・整備、上半身の補強、
   コーチ、監督、お父さん、お母さん、周りへの感謝を忘れないこと。

   そして、絶対に諦めないこと。 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 

photo

医療機関のやることは、選手と一緒に最大限で悩むこと。

photo








本気でやりましょうよ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

捻挫などで痛みがある場合、有痛側の歩幅が狭くなることが多いが

有痛の右足の歩幅が長い。

photo

右足の流れが悪く、ブレーキになっている。

ランニングでこれが起こると、走行抵抗になる。

そして、足首や膝の故障の原因ともなる事が多い。


有痛側の右足のストロークが伸びる原因は腰の回転不足や、
股関節の動きによるものが多いが、今回の場合、左の足首関節の可動域が気になる。

photo

photo

右に比べ、左足の可動域が少ない。

動いている時の可動域と、静止した状態で見る可動域は違う。

止まっている時には曲げることができても、歩いたり、走ったりする時に動いていないこともある。
これは、全身の運動連鎖によるもので、体 全体の協調運動が上手く行えていない為に起こるものである。

このように、動的な動きの中にある痛みは、
X線や、エコー診断のような静止画像に写らない事が多い。

中体連や、インターハイは、個人の都合に合わせてはくれない。


X線に写ってからでは・・・遅い。

動的検査は理学療法士さんの領分ですが、大人の都合に付き合わされる子供に、

誰か本気で付き合う大人が必要だと思う。

 -------------------------------------

マラソンで、顎が上がるのは、背中の筋肉が硬直するにつれ上がってくる。

練習の始めから顎が上がっているのは、フォームの問題ではない。

故障の前触れだと僕は思う。

photo

10秒かからず、こうなった。もったいない

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

片足立ちの前後の加重配分はこんな感じ。

photo


それほど悪くはないが、一応、こう治しておく。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

photo

局所の痛みも伴い正常歩行の判別は難しいが、

着底のポイントは突起を避けている。

photo

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

治療を終えてから、真夜中まで、何度もデータを確認する。

もっと、こうすれば良かったとか、ここも治す必要があるとか・・・

次から次に湧いてくる。
まだまだ、私たちは 学ぶ事が必要です。遠方からの御来院ありがとうございました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

photo

ページTOPへ戻る△

photo

photo

photo

他院との違い

施術の流れ

料金案内

院長の本音ブログ

HOME他院との違い施術の流れ料金案内患者様の声若葉治療院の技術店舗情報

copyright(c) 若葉治療院 All Rights Reserved.