足底筋膜炎になる原因は、足首、足趾周りの異常や、膝関節・股関節・背骨と多岐に渡ります。
足底腱膜炎(足底筋膜炎)を発症してからのリハビリテーション(以下リハ)の方法を紹介します。
一般的に痛みが出現し、一か月前後の安静で痛みは軽減していきますが、
足底筋膜に加わる負担の軽減、 いわゆる原因を解決できなければ、
スポーツ復帰により痛みが再発するケースがほとんどです。
「安静=足底筋膜への負担をかけないではない」と私は考えます。
参考記事:シューズが起因した足底腱膜炎の症例
痛みが継続する間は、痛みのある場所に一日10~15分程度のアイシングを行います。
痛みの出る場所は、
同じ足底腱膜炎(足底筋膜炎)であっても、
足の裏・踵(かかと)周辺・ふくらはぎと様々です。
痛みが強い場所にアイシングを行ってください。
また、治療・リハビリが終了し、
スポーツへの復帰後も、
再発防止の為に一か月程度は継続して
アイシングをすることをお勧めします。
参考記事:足底腱膜炎のテーピング
筋肉や関節が動いてくれると足底へかかる負担が減ります。
ここでは足底の負荷を減らすためのストレッチを紹介します。
いわゆる正座の姿勢で足関節底屈、膝関節屈曲の姿勢をとります。
負荷を上げたい人は踵に体重をかけていきます。
さらに強い負荷をかけたい人は
タオルなどを丸めたものを足の甲に入れて
調節することもできます。
伸ばしたい方の足のつま先を床にあて指を丸め、
足関節を前に突き出すように体重をかけていきます。
足首が横にぶれないように注意しましょう。
伸ばしたい方の足を下にして椅子などに写真のようにもたれかかり、
そのまま下の尻を下げていきます。
腰を痛めないように自分に合った高さに調節して
ストレッチを行いましょう。
座った状態で伸ばしたい方の足を浅く組み、
反対の足を抱え込むように身体にひきつけます。
座った状態で伸ばしたい方の足を浅く組み、
反対の足を抱え込むように身体にひきつけます。
座った状態で伸ばしたい方の足を浅く組み、
反対の足を抱え込むように身体にひきつけます。
足の角度を変えると伸びる部分も変わっていきます。
回内足(アーチの倒れ込み)は足底筋や、後脛骨筋のエラーだけでなく、
股関節を始め、全身の関節の動作不良によって発生します。
回内足が発生した時、
そのアライメント不良が足底筋膜に負担をかけます。
これらの医療的根拠を元に、改善効果を期待し、
足底筋膜への負担を軽減させる運動を紹介します。(注釈1)
座った状態で伸ばしたい方の足を浅く組み、
反対の足を抱え込むように身体にひきつけます。
横向きに寝て、両股関節、膝関節を少し曲げます。
そして、上側の股関節を外側へいっぱいに開きます。
仰向けに寝て、このように両足を開きます。
この状態でお尻を上方へ上げていきます
より重荷量を上げるために、片足で行います。
筋機能を改善する側の膝を曲げ、
つま先を上げかかとで床に足を接地します。
(反対側の足は上げておきます) ゆっくりとお尻を上げていき、
腰が床から離れる程度まであげます。
※お尻を上げていく際、踵を意識して荷重をかけることで、
ハムストリングスと股関節外旋筋群に力が入りやすくなります。
また、接地側の膝を曲げる角度を変えることで負荷を増減できます。
※曲げる角度が浅いほど負荷が増えます。
スポーツ復帰に当たり、日常レベルで痛みがなくなったら、
少しづつ段階的にフィールドレベルのリハビリに移行し、復帰を目指します
復帰にあたり、これまで紹介してきたストレッチや筋機能改善のリハビリを運動前後で行うこと、
また、テーピングを使用することで再発予防が望めます。
別紙において足底筋膜炎に対するテーピング方法を紹介していますので、参照ください。
参考記事:足底腱膜炎のテーピング
さらに運動後は痛みがそれほどなくてもアイシングを
復帰後一ヶ月程度は継続して行うことをおすすめします。
そして再発予防のために一番大切なのはシューズの確認です。
別紙にて、近藤がシューズの大切さについて掲載していますが、実際にシューズは多くの事を語ります。
参考記事:シューズが起因した足底腱膜炎の症例
毎日とは言いませんので、1週間に一度、2~3週間に一度でも
ご自身のシューズの状態を確認してみてください。
インソールに穴が開いていないか、もしくはもう少しで穴が開きそう、
紐がほつれていないか、
シューズについても、別紙を参照ください
(注釈:1)回内足(偏平足)により、下腿骨、大腿骨では内旋が生じ、
そのアライメント不良が足底筋膜に負荷をかけますが、
これらの動きを制御する為に、後脛骨筋、ヒラメ筋が機能し、
ハムストリングスや股関節外旋筋群も付属して機能することで過度な内旋を制御します。
また後脛骨筋は足部を安定させ内側縦アーチの低下に抵抗します。
つまり、これらの筋機能の低下は、足部の過回内が生じる一つの因子と考えられるため改善が望まれます。
足部過回内を呈する患者さんの多くは後脛骨筋の収縮が乏しく、
逆に前脛骨筋や足指伸筋群の収縮が優位になっているケースが多いです。
そのためストレッチなどで前脛骨筋や足指伸伸筋群の柔軟性を獲得し、
平行して後脛骨筋の筋機能を向上させることで、
後脛骨筋と前脛骨筋・足指伸筋群が協調して働けるようになります。
結果的に、足部の過度な回内を制御するようになると考えます。