福島県から勉強に来ていた接骨院の先生と、患者さんのお母さんの目の前で・・・
突出した舟状骨の突起を、治してみました。
凹んだのを目の当たりにして、勉強にきていた先生は、とても驚いていました。
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主訴 :右、 有痛性外形骨の痛み。 左膝の痛み。競技はミニバス。
接骨院に通院していたが、一向に改善せず、検査を勧められ、
整形外科で受診。 右 膝はオスグッドの判定。 脛骨粗面に凸面はなし。
しかし、改善しない為、解析の治療の依頼をうけました。
まず、とりかかったのは、有痛性外形骨炎の痛みがある右足。
歩行を見て、こちらの足の方が問題があると感じたからです。
片足立ち、リフト、スクワットのアライメント。
スポーツ整形で作製したインソールを着用して体幹の傾きを検査してみます。
立てるレベルにありません。
これで跳ねたり、走ったりすると危険です。
←治療前の素足歩行では、踵の外側から着底しています。
←製作された足底版を使った歩行では、踵の内側から着いています。
スポーツ疾患を扱う際には、道具をよく点検する事が必要ですが、
そこまで診る医療機関はわずかです。
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同業者と話す時、よく耳にする言葉があります。
「健康保険だから仕方がない。」 「単価が安いから仕方がない。」
何が ・・・・ しかたがないのでしょうか?
治らなくても仕方がないの意味でしょうか?
前十字靭帯の一本くらい切れても仕方がないの意味でしょうか?
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では、
子供の体の治療費に、車の修理代と同じくらい払う人がいたら・・・治せるのでしょうか?
“その場で治そうとする人が何人いるか?”
そこが問題なんだと思う。 先生と、そんな話しをしました。
治せるか?治せないか? それは コストの問題ではなく、技術の問題です。
やるか?やらないか?は 人間性の問題です。
仕事にコストはあっても、 生き方に、コストは関係ないと思うのです。
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舟状骨の低下は、足関節の問題ではなく、
体のバランスの崩れの一部でしかありません。
単純に、ここを押し込んだり、持ち上げれば動くものではないのです。
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一応、 誰かの役に立つ事もあるかも知れないから、
治し方を書いておきます。
今回、距骨が前方に引き出されてました。その不整合に伴い、足関節の可動域は減少し、、
舟状骨、立法骨は固着し、正常な動きがありませんでした。
動きは出ていないものの、触った感じ、癒合ではなく、動的機能は現存していました。
腓骨下部のアライメント不良に伴い、腓骨頭付近に圧痛を伴う不整合がでていました。
腓骨の前方移動は、腸脛靭帯、外側側副靭帯、などに伴い、
膝のアライメント不良を誘発します。
舟状骨だけが自然に低下しているわけではないので、そこの部分だけ支えても
舟状骨だけが持ち上がるはずもなく、
体が傾きました。というよりも、
足底に斜めに角度をつけたので、
斜めの斜面に立っている状態になった。
・・・・ただそれだけです。
それは市販のインソールも同じです。 (参考記事 ■ 社外製インソールの危険性)
田舎の治療院が、こんな事を言うのも
おこがましいですが、
シューズメーカーさん、よく聞いて下さいよ。
「アーチを持ち上げる、踵の倒れこみを防ぐ」
そんな目的で内側アーチを高くした場合、
足が宙に浮いている時、
アーチを持ち上げずに、靴の内側を下げてませんか?
プロネーション対策シューズに危ないモノがあると・・・警鐘は鳴らしておきます。 (関連記事 ■オーバープロネーション対策シューズの危険性)
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付け加えると、全てを否定するつもりはありません。
アシックス、ターサージャパンは秀逸です。踵骨のみの倒れこみを防いでいる事と、テールのカット、
舟底の絶妙なカーブで倒れこみが始まる加重を外側に逃がし、運動ルートを確立すからです。秀逸です。
前足と、後足を分割したミズノ ウェーブも、秀逸だと思います。 全てを否定するつもりはありません。
最近、コレはすごい! と思ったバッシュ。 (∩_∩) adizero PG K